よい建売?悪い建売?後悔しない建売とは~後編~

注文住宅よりも比較的ローコストで購入できる建売住宅。とはいえ、生涯に一度となるかもしれない大きな買い物ですので、本当に購入しても大丈夫か悩む方も多いことでしょう。

前編では、建売住宅を購入する際に起こり得るリスクや注意点をご紹介しましたが、後編では「住んでから後悔しない建売住宅」を購入するために具体的にどう見極めていけばよいのか、まとめてみました。

安心材料となる3つの「住宅の認定制度」

前編で紹介した「よくある欠陥やリスク」は、購入前にじっくり見学をしたからといって、素人がすぐに見抜けるものではありません。では、どうしたらよいのでしょうか。

まず安心して購入してよいかの指標として「住宅の認定制度」をご紹介します。設計、施工の各段階で第三者機関の検査を受け、規定の検査に合格している建売であるか、判断できます。

代表的なものに「長期優良住宅」「住宅性能表示」「フラット35適合」の3つがあります。

「長期優良住宅」

耐震性や劣化対策など、7つの技術基準をクリアすることが認定条件となっています。住戸面積も条件の一つのため、狭すぎる土地に建てられたローコストの建売住宅の場合は、取得できないことも多いことも多いので、長期優良住宅の建売住宅であれば、安心材料のひとつとなります。

「住宅性能表示」

「地震に対する強さ」「火災時の安全性」「劣化の軽減」をはじめ10区分、32項目の条件を満たす必要があり、そのうち4区分の条件が長期優良住宅と重なっています。住宅性能評価書の交付を受けると、住宅ローンの優遇制度や地震保険料の割引も受けられます。

「フラット35」

住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」を利用するためには、同機構が定めた技術基準に適合している必要があります。戸建なら床面積70㎡以上の他、一般の道に2m以上の接道、配管設備の点検口の設置、断熱性能等級2レベルの断熱構造、耐火構造などを厳しく検査されます。

「買って大丈夫?」のひとつの基準に

長期優良住宅は設計時の確認のみ(施工時チェックなし)、住宅性能評価には設計と建築の別があり、設計は設計時チェック、建設には工事中検査があります。また「フラット35」適合は設計時のチェックと工事中の検査の両方が行われます。

長期優良住宅は住まいの長寿化を、住宅性能表示は住まいの品質を主眼にしているので、違いはありますが、フラット35も含めて、いずれかに認定されていれば、「安心して住める建売住宅か」を見極めるうえで、ひとつの安心材料となります。

プロに住宅診断を依頼する方法も

上記のような制度の利用がなく、工事中の検査もない建売の場合は、専門家にホームインスペクション(住宅診断)を依頼するのもひとつの方法です。検査の流れは次の通りです。

  • 買主(依頼者)が、ホームインスペクター(住宅診断士)に依頼
  • 契約後から引き渡しまでの間に行われる内覧会(施工検査)に同行して検査をする
  • 依頼者と住宅診断士、売主の3者が立ち合って検査を実施
  • 室内、屋根、外壁、小屋裏、床下まで隅々チェック
  • 依頼者の希望により、サーモグラフィーを用いて断熱材の状態を確認する検査もあり
  • 検査の中で問題があれば、住宅診断士が売り主に補修工事を促す(引き渡しまで補修工事を完了させる)

買主が欠陥や不備を疑っても確信が持てず、最悪の場合は売主にはぐらかされる可能性もあります。しかし、住宅診断のプロならチェックポイントも明確で、さらに客観的な判断基準や数値等を基に中立な立場で指摘してくれるため、売主と買主の関係が悪化する心配もありません。

建売を購入するなら「ハウスメーカーだから安心」または「立地もいいし、安いからここで!」と即決したり、逆に、はじめから「安かろう悪かろう」と決めつけたりせず、しっかりと正しい見極め方で、後悔しない家探しを進めましょう!

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