
土地探しをしている中で、近隣エリアの中でもお安い価格で販売されている土地を不動産情報サイトやチラシで見かけたことはありませんか?「お得!」と、つい飛びつきたくなるところですが、「人気があれば高く、人気がないものは安い」という原理に例外はほとんどありません。一度冷静になって「安さの理由」を考えてみましょう。
今回は安い土地の理由や活用方法を解説します。安い土地のデメリットを好転できれば「掘り出し物」となる可能性もありますので、安さの理由を正しく分析できるよう学んでいきましょう。
安い土地はどんな土地?
一般的に「相場より安い土地」は、価格を下げなくてはいけない理由があるから。安く販売される土地の例をご紹介いたします。
土地の形が悪い
一般的に思い浮かべる正方形や長方形の敷地ではなく、いびつな形で、いわゆる「不整形地」と呼ばれる土地です。三角形や極端に縦長の土地は、建物の形や間取り、駐車場の配置を工夫する必要があります。デッドスペースが増え、有効に使える面積が少ないため安くなります。
旗竿地
建築基準法の「接道義務」では「幅員4m以上の道路に2m以上接していること」が建物を建築する条件。法律の要件を満たすため、幅2m以上の通路状の部分をつくり、道路と通路上の部分でつながっている、L字型の敷地にしています。旗をポールに掲げたような形のために「旗竿地」という呼ばれています。
ポールの部分にあたる路地状部分は狭く、この部分に建物を建築することは困難。さらに家で囲まれており、道路から奥まった場所にあると日当たりも悪くなってしまうので、安めに販売されています。
傾斜地
傾斜の土地は、「斜面を切り崩す」「土を盛る」「擁壁工事」などを行い、家を建てるために土地を平らにする必要があります。土地価格の他にコストがかかるため造成工事費分を安くして販売しているのです。
特に、北向きのひな壇になっている土地は日当たりが悪く、冬場は日が早く陰ることもあり、より安く販売される傾向があります。
道路より低い土地
道路との関係も重要です。道路よりも高い位置にあれば、人の視線も届きにくく、水も道路側へ流れて水はけも良好。方位によって人気があります。
一方で、道路より低い土地は雨水が敷地に流れ込みやすいことと、道路を通る人の視線も気になります。また駐車場を設ける差には道路と同じ高さまでかさ上げするなどの工夫が必要で、そこにもコストを要するので人気がなく安くなります。
接道義務違反の土地
前途の「接道義務」(4m以上の道路に2m以上接面していなくては建物が建てられない)に違反している土地は建物が建てられないので、相当お安く販売されています。「接道義務」は1950年にできた建築基準法のため、それ以前に建てられた物件もあるので注意が必要です。
再建築不可の土地
違法に建築された建物など、実は再建築ができない物件も存在します。昔は厳格に法律が運用されていなかったこともあり、法律に反するような建物は今でも存在するので、安すぎる土地は要注意です。
市街化調整区域
基本的に市街化させない区域のことで、家がまばらで農地が多い地域は「市街化調整区域」に該当することがあり、その場合は原則として開発許可という許可がないと建物を建築できません。建物を建てるのにハードルがたかいことから土地が安い傾向となります。
安い土地のデメリットは?
安く販売されている土地は何かしら理由があるはずなので、その要因を把握することが大切です。安い土地を購入することのデメリットを考えてみましょう。
家を建てるために別途費用がかかる
傾斜地のように平らにする工事や大規模な土木工事が必要、解体しなくてはいけない古屋があるなど、建物建築のために別途大きな費用がかかると見込まれるものは割安で販売されている場合が多いようです。
安全性のリスク
浸水想定区域であったり、崖が近い、地盤が弱いなど地勢的な要因があるために相場より安くしている可能性もあります。擁壁工時や地盤改良工事など、別途工事費用がかかるだけでなく、不安要素を抱えたまま生活をすることになってしまいます。
希望した形状の家を建てられない
法律上の制限や複雑な土地の形状から、希望通りのデザインや大きさの家を建築できないことも考えられます。
安い土地は買ってはいけない?
安い土地はデメリットが多いのは否めませんが、工夫次第で上手に活用できる土地はあります。例えば、土地の形状が悪くても建物配置や建物設計次第では形の悪さを逆に長所として生かしてもらえる場合もあります。旗竿地は、周りが家で囲まれているので、窓の位置さえ工夫すればプライバシーが守られ防犯面でも長所になるケースも。各メーカーや設計士は、プロとして腕の見せ所でもあります。
気になる「安い土地」に出会ったら、一番は「使いにくい土地を工夫して活用してくれる設計士やハウスメーカーを慎重に選ぶ」ことが大切です。
「この土地、安いけど大丈夫?」ぜひ建てる窓口で相談を
建てる窓口では「この土地は安いけど大丈夫?」といった相談も大歓迎です。安い理由をプロの目線で分析しながらアドバイスしております。さらにハウスメーカーや設計士の得意分野を把握しておりますので、それぞれのケースに合った依頼先をご紹介しておりますので、気軽にご来店ください。