
「人生最大の買物」ともいわれるマイホーム購入は、住宅ローン、頭金や諸費用など、大きなお金が動きます。少しでも費用を抑えたい方は、国や地方自治体が提供する補助金・助成金制度を賢く活用することがおすすめです。
今回は、国と地方自治体の新築住宅向けの補助金制度をご紹介していきます。
GX志向型住宅が新設!2025年注目の補助金
2025年の新築住宅補助金制度では、「子育てエコホーム支援事業」が「子育てグリーン住宅支援事業」にリニューアルされました。対象住宅の中でも新設された「GX志向型住宅」に注目です。住宅の要件を満たせば160万円の補助金の受給が可能となります。
GX志向型住宅とは?
GX志向型住宅の「GX」はグリーントランスフォーメーションの略。脱炭素社会の実現に向けた取り組みを意味します。GX志向型住宅は、従来のZEH水準よりも高い省エネ性能を有する住宅という点を覚えておきましょう。
【GX志向型住宅の性能基準】 ・断熱等性能等級6以上(UA値0.46以下) ・再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%以上 ・再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上 |
【国の制度】子育てグリーン住宅支援事業
「子育てグリーン住宅支援事業」は2025年度からスタートする新しい補助金制度ですが、省エネ性能の高い住宅の建築を支援し、脱炭素社会の実現をめざす足がかりとなりそうです。GX志向型住宅が対象に加わった制度の詳細を具体的に確認していきましょう。

注目ポイント
- 新設された「GX志向型住宅」であれば、補助金額は160万円
- 「GX志向型住宅」はすべての世帯が対象となる
- 蓄電池を設置する場合は「DRに対応したリソース導入拡大支援事業(仮)」との併用が可能で更なる補助金を受け取れて、導入費用の1/3以内の補助が受け取れる
【国の制度】戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業(ZEH補助金)
続いて、新設制度ではないのですが2025年度も継続が予定されている省エネ性能の高い住宅(ZEH)の建築を支援する補助金制度をご紹介します。
ZEH(ゼッチ)は、年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロになる住宅を指します。ZEH補助金には、対象者の年齢等の条件はなく、例年5月頃から申請が開始され、予算がなくなるまで先着順で受け付けられます。ZEH補助金は2つの区分があるので注意しましょう。

参考資料:「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業 (経済産業省・国土交通省連携事業)要」/環境省
注目ポイント
- 年齢や世帯構成に関する制限がなく、幅広い利用が可能
- 補助金額は、ZEHで1戸あたり55万円、さらに高度な仕様のZEH+で1戸あたり90万円が受け取れる
- 上記のように蓄電システムや高度なエネルギーマネジメントシステムを導入する場合、追加の補助が受けられる場合がある
- 制度を利用には、住宅の断熱性能を等級5以上、省エネルギー性能を20%以上削減、太陽光発電の導入など、定められた基準を満たす必要がある(環境に配慮した住まい実現が期待できる)
地方自治体独自の補助金もチェックしよう
国だけでなく、地方自治体が独自に設けている補助金制度も見逃せません。多くの自治体が、省エネ性能の高い住宅や子育て世帯への支援など、様々な補助金を設けているため、対象となる場合はぜひ活用しましょう。
【仙台市の補助金制度】せんだい健幸省エネ住宅補助金(※2025年度は未発表)
仙台市では、2024年度に新築向け補助金制度「せんだい健幸省エネ住宅補助金」を設けていました。地球温暖化対策推進のために、ZEHかつ市独自の断熱基準を満たす住宅の取得費用の一部を補助する制度で、最大310万円という手厚い支援が特徴でした。
◆せんだい健幸省エネ住宅補助金(新築向け)の概要(2024年度版) 【対象者】 仙台市内に対象住宅を新築し常時居住する個人、または建売住宅を購入し常時居住する個人 【対象住宅】 ZEHまたはZEH+(NearlyZEHとZEHOrientedは対象外)で、市独自の断熱基準「ぬく杜」を満たす一戸建て住宅 【補助金額】 最大310万円(断熱性能等に応じて金額が変動) ※参考資料:「せんだい健幸省エネ住宅補助金(新築向け)」/仙台市 |
昨年度の内容
- 子育てグリーン住宅支援事業やZEH補助金との併用はできないので要注意
- 対象住宅を新築し、市内に常時居住する個人が対象
- 一戸建てでZEHまたはZEH+に該当し、市独自の断熱基準「ぬく杜」を満たすことが要件(ただし、NearlyZEHやZEH Orientedは対象外)
今年度の継続は?
昨年度は2024年度に補助金制度がHPにて発表されました。2025年3月時点ではまだ発表はありませんが、今年度は継続されるか、新たな制度がはじまるのか、最新情報に注目です。
どの補助金制度を選ぶべき?迷ったら「建てる窓口」相談を!
注意すべきは、ZEH補助金は子育てグリーン住宅支援事業、自治体の補助金制度は、ほどんどが併用できないことです。GX志向型住宅の要件を満たす場合は子育てグリーン住宅支援事業を選んだり、補助金額が大きいのであれば自治体独自の制度を選んだり、自分にとって一番有利な補助金に申し込むようにしましょう。
しかし、自分に合った補助金を選択することや、そもそもどの補助金制度が使えるのか、ご自身で判断するのは難しいもの。申請方法についても、ハウスメーカーや工務店が代行する方式と、施主本人が申請する方式があり、困惑してしまいます。
何を選べばいいか教えて欲しい、補助金制度の基礎知識について知りたい、という方も、まずは気軽に建てる窓口でご相談ください。どの補助金を利用するのがお得か、最新の情報をご提供しながら、プロがアドバイスいたします。