建築基準法による店舗併用住宅の条件

美容院やカフェ、ケーキ屋・パン屋など、趣味や特技、資格を生かしてご自宅でお店を開きたい…。かねてより、こんな夢を抱いていた方がマイホーム建築をきっかけに、自宅の一角にご自分のお店をオープンするケースは宮城県仙台市でも少なくありません。

今回は店舗併用(兼用)住宅を検討している方のための建築基準法における条件をまとめてみました。

そもそも店舗併用(兼用)住宅って?

まずは店舗併用(兼用)住宅について、簡単な概念とメリットについて考えてみましょう。まず、意味合いとしては読んで字のごとく「自宅と店舗を併せ持つ建物」のことです。1階部分に店舗部分や事務所をつくり、2階を自宅にするパターンが多いようです。

美容院の店舗兼用住宅の実例。閑静な住宅街にある隠れ家的なサロンとして人気があるそう(宮城県仙台市・杜ハウス実例)

「店舗併用住宅」と「店舗兼用住宅」の違いは?

住宅と店舗が一体になった建物には、兼用住宅と併用住宅があり、どちらの言葉も耳にしたことがあるかもしれません。簡単にいえば、店舗と家の行き来ができるかできないかの違いになります。

  • 店舗兼用住宅・・・住宅と店舗が内部で行き来ができ、機能的・構造的に一体になった建物
  • 店舗併用住宅・・・住宅と店舗が内部でつながっていない。行き来できない建物

店舗併用(兼用)住宅のメリットは?

また、店舗をご自宅につくるメリットも少しご紹介しておきましょう。

  • 業務の合間に家事がでいる
  • 子育てライフと両立しやすい
  • 通勤時間ゼロ!自宅と店舗を往復する時間や労力がいらない
  • 店舗を借りる家賃がかからない

建築基準法で定められた「店舗併用住宅」の条件とは

まずは「用途地域」をチェック

店舗併用(兼用)住宅の建築の際に、一番注意したいことが「用途地域」です。これは、その地の景観を守ったり、意図しない開発などを防ぐための規制。例えば、閑静な住宅地や子供が遊ぶ公園のすぐそばに、工場が建つのは困りものですよね。住む人が安心して暮らせるよう、規制が設けられているのです。

店舗併用(兼用)住宅を建てる際には、まずは「用途地域」の条件を満たす必要があります。

12種類の用途地域。住宅系&商業系で建築可

【住居系】…建築可(一部条件あり)

  • 第1種低層住居専用地域
  • 第2種低層住居専用地域
  • 第1種中高層住居専用地域
  • 第2種中高層住居専用地域
  • 第1種住居地域
  • 第2種住居地域
  • 準住居地域

【商業系】…建築可

  • 近隣商業地域
  • 商業地域

【工業系】…建築不可

  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

店舗併用(兼用)住宅は、工業系地域以外なら建てることができます。しかし「第1種低層住居専用地域」と「第2種低層住居専用地域」もあまりお勧めできません。その理由をチェックしておおきましょう。

第1種低層住居専用地域で建てるには…

第1種低層住居専用地域は、一番制限が厳しい地域ですが、下記のような一定の条件を満たす場合は、建築できます。

  • 店舗部分の床面積が50平方メートル以下
  • 店舗部分の延床面積が建物全体の半分以下
  • 雑貨屋・美容室・学習塾・事務所など、定められた業種が対象
  • 厨房における機械の出力は0.75KW以下

近所の迷惑ならないこと、そして景観を損なわない小さな店舗であれば、建築可能です。小さな学習塾や個室的な美容院であれば問題なさそうですね。

自宅の一室程度で学習塾をやりたい…と考えている方は 第1種低層住居専用地域も選択できそうですね。

第2種低層住居専用地域で建てるには…

第1種低層住居専用地域に比べて、少し規制が緩くなるので、選択の幅が広がりそうです。

  • 店舗部分の床面積が150平方メートル以下
  • 店舗部は2階以下に設けること
  • 厨房における機械の出力は0.75KW以下

厨房で0.75KWしか使えないため、より大きな出力が必要となるケーキ屋さんやパン屋さんなどの場合は、この点はしっかり確認した方がよさそうですね。

小さなパン屋さんだから大丈夫…と思っても「 厨房の機械の出力が0.75KW以下」という規制は確認が必要ですね

住宅ローンは使えないの?

事業を行う建物を建築する場合は「事業資金」を利用します。店舗併用(兼用)住宅は、住宅ローンは使えないのでしょうか?

ここは融資をお願いする銀行にもよりますが、下記のようなケースが考えられるようです。

  • 住宅部分の比率が高い:店舗部分も住宅部分にまとめて取り扱う
  • 店舗部分が大きい場合:住宅ローンと、事業資金のローンの2本立て

事業資金は、事業計画書の提出や収益性の審査も必要となり、特に新規店舗の場合は審査が通るのが難しいともいわれています。店舗部分も住宅ローンの対象にできるかは、金融機関により異なりますので、ハウスメーカーさんや工務店さんにもよく相談してみるといいでしょう。

いかかでしたか?

「いつか自分のお店を持ちたい」…そう考えていた方にとっては、マイホーム建築が最大のチャンスにもなりますね。法制度の縛りもありますが、まずは「用途地域」からチェックして、夢への一歩を踏み出しましょう。その際には周辺環境もチェックを。競合店はないか、人通りは多いか、駐車スペースの有無、住人の年代層はあっているか…なども細かく考える必要があります。ぜひ夢実現に向けて頑張ってくださいね。

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