新築住宅の価格高騰もあり、近年人気を集めている中古住宅。その中で特に人気が高まっている買取再販住宅について、特徴やメリット・デメリットを解説します。
買取再販住宅とは
買取再販住宅とは、宅地建物取引業者が中古住宅を購入しリフォームやリノベーションをして販売する住宅のことをいいます。
買取再販住宅には適用要件があり、
- 個人が既存住宅を取得する時点で、その既存住宅が新築された日から起算して10年を経過したものであること
- 特定増改築等に係る工事に要した費用の総額が、その既存住宅の個人に対する売買価額(税込み)の20%に相当する金額(その金額が300万円を超える場合には300万円)以上であること
など、複数の要件を満たす必要があります。
中古住宅との違い
買取再販住宅は中古住宅の一種で、販売形態は主に「仲介」と「買取再販」の2種類があります。
「仲介」は中古住宅の売主と媒介契約をした不動産会社が物件の買い手を募集するのに対し、「買取再販」は、個人や法人から不動産会社が物件を一度買い取り、リフォームやリノベーションをしてから販売するため、不動産会社が売主になるのが特徴です。
中古住宅の購入方法が「仲介」か「買取再販」かによって、住宅ローン控除の内容も異なります。
「仲介」で購入した場合、借入限度額が2,000~3,000万円で控除期間は10年間。「買取再販」で購入した場合は、借入限度額が3,000~5,000万円で控除期間は13年間と、優遇されています。
買取再販住宅のメリット
①新築同様の家をリーズナブルに購入できる
不動産会社がリフォーム・リノベーションをしていますので、新築のような内装や外装、設備のある住宅を、リーズナブルな価格で購入することができます。
②購入後、すぐ入居できる
不動産会社がリフォーム・リノベーションをした後に販売しているので、購入後は新築のようにきれいな家に、すぐに住み始めることができます。
③2年以上の保証がある
買取再販住宅は、売主である不動産業者が契約不適合責任を2年以上負わなければならないという決まりがあります。契約不適合責任とは住まいの品質や設備について、契約内容に適合しないところがあった場合に、売主が責任を負うというものです。
④仲介手数料がかからない
中古住宅を「仲介」で購入すると、仲介手数料がかかりますが、「買取再販」は不動産会社から直接購入するため仲介手数料がかかりません。
⑤住宅ローン控除等の節税効果が大きい
買取再販住宅を購入した場合の住宅ローン控除期間は、新築と同様の13年間。仲介で購入する場合よりも大きな節税効果があります。他に、登録免許税や軽減税率の特例措置等も含めると、税金面も様々なメリットがあります。
買取再販住宅のデメリット
①リフォーム・リノベーションの詳細が見えにくい
買取再販住宅はリフォームやリノベーションをした後に販売するため、購入者は配管設備や断熱などの見えない部分の状態やリフォームやリノベーションが適正に行われたかを確認するのが容易ではありません。
※不安な点がある時には建築士の資格をもつ専門の検査員による住宅調査等を利用するとよいでしょう。また、購入する際に「第三者企画に適用している物件」、「アフターサービスが充実している不動産会社」などを選ぶのもおすすめです。
②リーズナブルな理由が不安
買取再販住宅はリーズナブルな価格で購入できることが魅力ですが、中には事故物件などの理由でリーズナブルになっている場合もありますので注意が必要です。周辺の相場より大きく価格が低い物件には注意しましょう。
③リフォーム・リノベーションが希望に合わない
買取再販住宅は、リフォーム・リノベーション後に販売するため、自分の求めていない部分が改修されていて、割高に感じることもあるかもしれません。
(但し、一般の人が中古住宅を購入して改修する場合と比べて一括発注できる不動産業者が改修することで回収費用を抑えられるので、住宅の販売価格もリーズナブルになっているケースが多いです。)
買取再販住宅を購入する際のポイント
デメリットでもあげたように、買取再販住宅を購入する際は見えない部分は簡単に確認することができませんが、配管や断熱、構造などの状態まで確認することが大切です。
そこで、買取再販住宅を購入する際のポイントを3つご紹介します。
①「適合R住宅」を選択する
「適合R住宅」とは、(一社)リノベーション協議会が一定の統一規格を定めて確認・検査をした住宅です。給水管や排水管、ガス配管などの重要インフラについて、規格を満たすものまたは規格を満たすために改修した物件を2年以上保証することを前提としています。
②「安心R住宅」を選択する
「安心R住宅」とは国が定める制度で、住宅の専門家が「新耐震基準適合」「構造上の不具合」「雨漏り」が認められない物件に、リフォームや修繕計画などの情報の提供を加えたものです。「瑕疵保険」に加入するための検査に適合する住宅を「安心R住宅」と定義しています。
③瑕疵(かし)保険に加入する
2年以上の保証がある「適合R住宅」ではない買取再販住宅を購入する際には、基本的な基本構造部分と雨水の侵入を防止する部分の損害を補償してくれる保険「瑕疵保険」に加入することで、見えない部分の不具合に備えることができます。「瑕疵保険」に加入するには第三者による建物の状況調査が実施されるため、目に見えない部分の状況を把握することもできます。
まとめ
買取再販住宅は新築のような住宅をリーズナブルな価格で購入できるということで近年人気となっていますが、デメリットもあることも理解しておきましょう。その上で自分の希望に合う住宅であるか、しっかりと検討してみてくださいね。
建てる窓口では買取再販住宅に関する相談も受け付けています。買取再販住宅に関する疑問・質問、情報についてもお気軽にご相談ください。