住宅を購入する際に目にする「手付金」。皆さんはその意味をきちんと理解していますか？
頭金は聞いたことがあるけれど、手付金はわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
今回は住宅購入時に必ず必要になる「手付金」について、その意味や相場、支払い方法などを解説します。
目次（本記事の内容）
手付金とは？
手付金とは、土地を買って家を建てる際に必ず支払う費用のひとつです。
手付金を支払うことで、売買契約が成立したという根拠となります。
支払った手付金は、物件の引き渡しのタイミングで返金になるため、一般的には住宅購入代金の一部に充当されます。
また、手付金はキャンセルや契約違反をした際の違約金にもなります。買手の都合で購入をキャンセルした場合や契約違反による契約解消があった場合には手付金は戻ってきません。逆に、売り手の都合で契約がキャンセルになった場合には手付金は全額返金され、さらに同額の違約金が買い手に支払われます。
頭金とは違うの？
手付金と頭金を同じようなものだと認識している人も多いようですが、全く別の意味を持つものです。
頭金は住宅購入代金の一部を先に支払うもの、そして、手付金は、住宅購入代金とは別に支払うものです。
手付金は必ず払わなければならないものですが、頭金は払わないという選択もできます。
手付金の目安
手付金は上限が購入価格の20％と定められており、具体的な金額は住宅会社がそれぞれ決めています。
一般的には物件価格の５～10％に設定されています。
例えば4,000万円の住宅を購入する場合の手付金は、200～400万円になります。
手付金を支払うタイミング
手付金を支払うのは、売買契約を締結する時です。現金や振り込みで支払います。
住宅ローンの融資が下りる前に支払う必要があるため、現金で用意しなければなりません。
住宅を購入する際は、購入金額の５～10％の現金が必ず必要になることを頭に入れておきましょう。
手付金を用意できない場合は？
手付金は売買契約時に必ず支払わなければならないお金です。購入する住宅の価格に合わせて金額は大きくなりますし、住宅ローンに含むことができないため、現金で用意しなければなりません。
手付金を用意できないという時は、まずはその旨を住宅会社に相談しましょう。
手付金の上限は20％と定められていますが、下限についての定めはありません。住宅会社が独自で決めている金額ですので、割合を下げてもらえる可能性があります。しかし、手付金とは契約を結ぶ上では重要なお金ですので、大幅な減額が要求せず、慎重に相談する必要があります。
ローンとは別に手付金を借用するという方法もありますが、あまりオススメできません。カードローン等で一時的に借り入れてしまうと、住宅ローンの本審査で不利になってしまう可能性があるからです。
また、家族・親戚から借りる場合は、トラブルを防ぐためにも借用書を取り交わしておきましょう。特に110万円を超える場合は、贈与とみなされてしまう場合もありますので、しっかりと借用書を交わして利息も支払いましょう。
手付金を用意できない場合は、購入のタイミングを見送るというのも一つの方法です。
住宅の購入には、手付金だけでなく登記費用や火災保険料など一定の現金が必ず必要になります。余裕を持って手付金を支払えるよう貯蓄をしてから、改めて検討することも選択肢に入れておきましょう。
手付金を払った後に住宅ローン審査に落ちたら？
手付金は住宅ローンの本審査の前のタイミングで支払います。
そのため、手付金を支払ったのに住宅ローンの審査に落ちてしまうという場合もあるようです。
このような場合に備えて、不動産売買契約書には一般的に「住宅ローンの融資利用特約」が設けられています。この「住宅ローンの融資利用特約」は、住宅ローンの審査に落ちた時にはペナルティなしで契約の解除が可能となり、手付金も返金されるというもの。ですから、審査に落ちた場合は、契約を解除ができ、手付金も戻ってくるので安心です。
しかし、申請書類の不備等、買主の過失で審査に落ちたケースでは、特約の対象にならない場合があるので注意が必要です。
まとめ
住宅を購入する際に必ず支払うことになる手付金は、売買契約を結ぶ上で重要な役割を担っています。売る側と買う側、両方を守る大切なお金とも言えるでしょう。
住宅購入代金の５～10％程を、必ず現金で支払うことになるので、契約締結までにまとまったお金の準備が必要になります。
住宅の購入を考えている方は、手付金の支払いも忘れずに計画・準備を進めましょう。